精油の香りをアレンジしてフレグランスに活用する方法とは?

精油の香りをアレンジしてフレグランスに活用する方法とは?

今回は精油の香りを重視してフレグランスに活用するアレンジ方法などフレグランスについての知識を紹介しますので、日々のアロマライフにぜひお役立てください。

 

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香りのノートについて

精油の香りをアレンジしてフレグランスに活用する方法とは?

 

香りの「ノート」とは「蒸散速度ランク」といって香りの伝わる速さを表したものをいいます。

 

以下でそれぞれのノートランクについて香りの伝わる速さが早いもの順で詳しく説明していきます。

 

@トップノート

  • 軽い爽やかな香りで、ふわっと素早くあたりに漂う
  • 香りの持続時間は2〜3時間
  • 主に葉や花、柑橘系の植物からとれる精油
  • 【主な精油】オレンジ、カルダモン、グレープフルーツ、ティートゥリー、ベルガモット、ペパーミント、ユーカリ、レモン、レモングラス

 

Aトップ〜ミドル

  • 【主な精油】クラリセージ、プチグレン、ネロリ、ラベンダー

 

Bミドルノート

  • 揮発速度はトップとベースの中間
  • 香りの持続性は3〜4時間
  • 主に葉や花からとれる精油
  • 【主な精油】カモミールローマン、カモミールジャーマン、サイプレス、ジュニパー、ゼラニウム、ブラックペッパー、マジョラム、メリッサ、ローズマリー、ローズウッド

 

Cミドル〜ベース

  • 【主な精油】イランイラン、ジャスミン、フランキンセンス、ヤロウ、ローズ

 

Dベースノート

  • 香りの立ち方が遅く、じわじわと香る重たい香りで
  • 香水では「*保留剤」として使用(「*保留剤」調香の際に香り成分の揮発性を遅くし香りのバランスを崩さないために用いる。)
  • 香りの持続時間は5〜6時間から2〜3日に及ぶものもある
  • 主に、木部、根、樹脂からとれる精油
  • 【主な精油】サンダルウッド、シダーウッド、パチュリー、ベンゾイン、ミルラ

 


 

香りのハート(核)について

精油の香りをアレンジしてフレグランスに活用する方法とは?

 

トップ〜ミドルのノートの「プチグレン」は「香りのハート(核」といわれる精油でビターオレンジの若葉や小枝を水蒸気蒸留法で抽出しています。香りの特徴はフローラル調でもありウッディ調でもあります。

 

花の香りを多く使用する香水の場合、プチグレンを加えると全体的には華やかさがあるものの、どこか統制がとれ調和されるのが魅力の1つです。

 

 

香りの分類について

 

香水は期待されるイメージを前提に作られており、分類ごとに系統がありそれぞれ香りの印象や特徴、イメージが異なります。香水に印象的な名前が付けられていることがありますよね。

 

それは、作り手が香水に名前(テーマ)をつけることによってより香水のイメージや印象をより色濃く表せるからでしょう。

 

フレグランスを作る際には香りの分類を参考にしていただくとより、イメージの湧きやすい仕上がりに近づけることができます。

 

・グリーン

【印象】草
【特徴】草を揉んだ時の青い香り
【イメージ】ナチュラル、草、牧草地、生き生きとした

 

・シトラス

精油の香りをアレンジしてフレグランスに活用する方法とは?
【印象】柑橘
【特徴】オレンジ、グレープフルーツ、レモン、ベルガモットなどの柑橘系の香り
【イメージ】爽やかさ、若々しさ

 

・フルーティー

【印象】果実
【特徴】柑橘系以外の果物の香り、アップル、ピーチ、ストロベリーなど
【イメージ】明るさ、かわいらしさ、若さ、トロピカル

 

・フローラル

精油の香りをアレンジしてフレグランスに活用する方法とは?
【印象】花
【特徴】シングルフローラル(1種類の花)とフローラルブーケ(複数の花)の2種類がある
【イメージ】華やかさ、明るさ、優しさ、上品さ

 

・フローラルアルデハイデック

【印象】花、アルデヒド
【特徴】フローラル調の香りが「*アルデヒド」で特徴づけられたもの(「アルデヒド」は合成香料のひとつで、脂肪臭とも呼ばれ、油っぽい鼻に残るもの)
【イメージ】ロマンティック、しなやかさ、

 

・アルデハイデック

【印象】アルデヒド
【特徴】油っぽいアルデヒドの香り
【イメージ】ボリュームのある、モダンな

 

・スイート

【印象】甘さ
【特徴】甘い香りの総称で花の精油に多く見られる
【イメージ】温かさ、やわらかさ

 

・パウダリー

【印象】粉っぽさ
【特徴】合成ムスクやワニリンという菓子の香料に使われるバラの種子の芳香成分などで特徴を出す
【イメージ】上品さ、優雅さ、女性らしさ、懐かしさ

 

・ウッディ

精油の香りをアレンジしてフレグランスに活用する方法とは?
【印象】白檀、香木
【特徴】木の香り。サンダルウッド、シダーウッド、パチュリーが代表的
【イメージ】自然、安らぎ、東洋的、清潔感、ドライ

 

・モッシー

【印象】苔
【特徴】苔の香り。シプレー調(ベルガモット、アンバー、オークモスの3つを基本として作られる
香り。渋く落ち着いた香り。)には欠かせない
【イメージ】しっとりとした、気品、深みのある、上品な

 

・スパイシー

精油の香りをアレンジしてフレグランスに活用する方法とは?
【印象】スパイス
【特徴】シナモン、クローブ、タイム、カルダモン、ブラックペッパーなどのスパイスの香り
【イメージ】感情的な、エキゾチックな、シャープな

 

・レザータバック

【印象】皮革、煙草
【特徴】男性的な香りの特徴として用いられる
【イメージ】男性的、都会的

 

・バルサミック

精油の香りをアレンジしてフレグランスに活用する方法とは?
【印象】樹のヤニ
【特徴】重たい甘さと木が混ざった香り
【イメージ】神秘的、エキゾチック

 

・アニマル

【印象】動物
【特徴】ムスク、アンバー、シベットなどの動物の香り
【イメージ】濃厚、魅惑的

 


 

フレグランスの種類について

精油の香りをアレンジしてフレグランスに活用する方法とは?

 

フレグランスの種類はアルコールに溶かした香料の割合(賦香率)により異なります。
最も賦香率が高いのが香水(パヒューム、パルファン)で最も低いのがオードトワレです。
賦香率が高いほど香りが強く、香りも持続します。

 

・香水

【賦香率】15〜25%
【持続時間】5〜7時間
【特徴と使い方】深みのある豪華な香りで、香りを強調したいとき、部分的に香りをつけたいとき、香りを長持ちさせたいときに使います。

 

・パルファンドトワレ

【賦香率】10〜20%
【持続時間】約5時間
【特徴と使い方】香水より少し香りが薄いもので、香水と似た用い方をします

 

・練香水

【賦香率】5〜10%
【持続時間】3〜4時間
【特徴と使い方】香りは比較的長持ちします。携帯するのに便利です。

 

・オードパルファム

【賦香率】5〜10%
【持続時間】3〜4時間
【特徴と使い方】気軽な感じで存在感のある香りを楽しみたいとき

 

・オーデコロン、オードトワレ

【賦香率】2〜5%
【持続時間】1〜2時間
【特徴と使い方】仕事やスポーツの後、入浴後などに気軽に香りを楽しみたいとき

 

フレグランスのバランスについて

精油の香りをアレンジしてフレグランスに活用する方法とは?

 

香水やオーデコロンなどのフレグランスを作るときに、その持続時間が賦香率によって異なることがわかりました。ではそれぞれの香りの持続時間の間香りは一定なのでしょうか。

 

香水などを作るときの香料を選ぶとき香りの相性がよいものを選ぶのはもちろんですが、香りの持続性も重視します。つまり、香水をつけてすぐの香り、つけて2〜3時間したときの香り、そしてそれ以降の香りと香りの移り変わりを考慮しながら香料を決めていきます。

 

つまり、香りのノートであるトップ、ミドル、ベースからバランスよく選んで香水を作るわけです。例えば、トップノートの柑橘系やペパーミントなどばかりの精油で香水を作るとつけ始めはとても華やかに香りますが、次第に香りが薄れ香りが持続しないものになります。

 

逆に、サンダルウッドやパチュリーなどのベースノートばかりの精油で香水を作ると香りたちが悪くなかなか香らない一方で香りはしばらく持続します。ですから、香りの相性のよいもので香りのバランスの移り変わりをイメージしながら、トップ、ミドル、ベースからバランスよく精油(香料)を選びます。

 

香りの比率はトップ:ミドル:ベース(1:2:3)が理想的です。

 

 

フレグランス作りのワンポイトアドバイス

精油の香りをアレンジしてフレグランスに活用する方法とは?

 

ブレンドする精油が花だけや柑橘系だけより、それらに木、葉、種子などの香りに少しだけスパイス系の香りを加えた方が全体的に膨らみがありかつ奥深い香りに仕上がるはずです。

 

例えば花の香りの中に、シダーウッド、プチグレン、クラリセージ、カルダモン、ベチバー、ブラックペッパーを入れてみたりするのもよいでしょう。

 

オリジナルパヒュームの作り方

・材料

【無水エタノール】5ml
【精油】25%濃度分
【アトマイザー】100円ショップで手に入ります。

 

・精油の滴数

5ml×25%=1.25ml
1.25÷0.05=25滴

 

・作り方

ビーカーなどガラス製の容器に無水エタノールを5mlいれ精油をそれぞれの滴数を入れ混ぜたら
アトマイザーに移します。

 

・精油のブレンド例

以下の精油はわたしが20年近く前にアロマセラピーを学び始めて初めて香水を作った時の精油のブレンドです。パチュリーが好きなのでパチュリーを中心にバランスを考えてブレンドしました。

 

ヒソップ(トップ)1
スターアニス(トップ)2
オポポナックス(トップ)1
ローズウッド(ミドル)2
レモンユーカリ(ミドル)7
パチュリー(ベース)7
ベンゾイン(ベース)5

 

香りの印象はスッキリした甘さの中に深みのある樹脂の香りが漂いスコールの後の森を思わせるエキゾチックな香り。香りの印象については、当時のアロマセラピーの勉強ノートの香りの印象からそのまま抜粋したものです。

 

まとめ

いかがでしたか。
今回は精油とフレグランスの関係性や仕組みについて紹介しましたが、フレグランスについて知ることは精油やアロマセラピーをより深く感じ取れるものと思います。

 

以前から香水が好きでよく使っていましたがアロマセラピーを学んでから、香水のタイトルから結びつく香りなのかとか、○○を使っているのかな?とかいろいろと思いをはせるようになり、香りの奥深さに魅了されるようになりました。

 

オリジナルのフレグランスを作って楽しみと感動を味わってみてはいかがでしょうか。

 

 

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