成長因子(グロスファクター)でみるみる若返る!?ノーベル賞受賞成分とは?
近年の科学の進歩は目覚ましいものがありますが、特に注目を集めているのが「成長因子」による若返りの可能性です。
この驚異的な成分は、なんとノーベル賞を受賞したほどの実績を持っています。
では、この成長因子とは一体何なのでしょうか?
そして、それが私たちの健康や美容にどのような影響をもたらすのか?
この記事では、成長因子の秘密に迫り、その若返り効果について探求していきます。
若返り成分の成長因子【GF】とは
Growth(グロース)・Factor(ファクター)成長・増殖因子の日本名は「表皮細胞増殖因子」と呼ばれます。
動物の体内において、特定の細胞や分化を促すタンパク質の総称です。別名「増殖因子」、「細胞増殖因子」とも呼ばれています。
細胞や皮ふ、骨、筋肉などヒトの体すべては「ヒト成長ホルモン」というホルモンによって成長。脳の脳下垂体前葉でつくられ、生きていく上で欠かせません。
成長に関係しているというだけに、思春期をピークに20代後半から急激に分泌が減少してしまいます。
分泌の減少にともない、さまざまな老化現象が起こることに関連。そして、ヒト成長ホルモンを活性化することが、美容面でも健康面でも重要です。
ヒト成長ホルモンを活性化する物質こそが、成長因子。また、体の細胞の種類によって働きは異なり、肌を若々しく保つ成長因子があることもわかってきています。
ノーベル賞受賞成分【EGF】とは
成長因子の中でノーベル賞を受賞した成分があります。それが、「EGF」です。
アメリカの生物学者スタンレー・コーエン博士により発見されました。博士は、EGFの配列識別とその機能のパイオニアとして1986年にノーベル賞を受賞。
EGFは、ヤケドによる皮フ移植や角膜切開による傷の回復促進などの、目的に医療の分野で幅広く使用されました。
美肌に特に関係する成長因子【EGF・FGF】
成長因子には、たくさんの種類があります。その中で特に美肌に関係する成長因子が「EGFとFGF」です。
肌が若返る【EGF】
肌が若返ると近年注目の成分がEGFです。ターンオーバーをつかさどる表皮幹細胞に指示を出し、表皮細胞を増殖させる働きをしています。
EGFは、53個のアミノ酸から形成されるたんぱく質で唾液や母乳にも含まれています。肌組織の形成、修復や再生する作用で肌の健康を保つ素晴らしい成分です。
なぜ、そのような画期的な成分が、近年まで注目されなかったのでしょうか?それは、発見当初の1960年代は1g、8,000万円と非常に高い価格でした。
しかし、近年の技術革新により成分の抽出や生産が容易になっていきスキンケア用品などに配合が可能になったのです。
その結果、商品として多く生産されるようになりました。
EGFは年齢とともに減少
EGFは年齢とともに減少していきます。
25歳前後をピークに急激に減少し、20代ではハリや潤いがあった肌もターンオーバー周期が乱れ肌再生がだんだんと追いつかなくなることに。
そうなると、クスミやシミ、日焼け後の色素沈着、シワやたるみ、毛穴の広がりやほうれい線などといった、いわゆる老化肌の現象が現れます。
・肌のターンオーバーについて
ターンオーバーとは、肌の新陳代謝のことで、肌の生まれ変わりです。
通常のターンオーバーは、肌の外側にある表皮の奥の基底層で新しく肌細胞が作られます。
そして、肌の表面に押し上げられ、バリアとして肌の表面で役割を果たしたあとにアカなどの角質になって剥がれます。
顔のターンオーバーの周期は、およそ28日です。ターンオーバーが正常な肌はバリア機能が整い、水分を多く含み肌に透明感がありハリやツヤもあります。
・肌の構造
EGFやFGFがお肌にどのように効果をもたらすのかを理解するために、肌の構造を知っておくとよいでしょう。
肌は・表皮(ひょうひ)・真皮(しんぴ)・皮下組織(ひかそしき)の3層から構成。表皮は皮膚の最表面の層で、さらに4層にわかれています。(手のひらと足裏以外)
中でも、表皮のさらに一番表面にあり最も外界と接している「角質層」は、「肌のバリア機能」を担っており、健やかな肌を保つために重要です。
表皮の4層とは、@角質層A顆粒層B有棘層(ゆうきょくそう)C基底層で、表皮の一番深い層である基底層で日々新しい細胞がつくられます。
生まれてから分化を繰り返し徐々に表面に押し上げられて、やがて角層となり、最後は垢となって剥離・脱落するというサイクル(ターンオーバー)を繰り返しています。
★若返り成分、「表皮」で働くEGF
・EGF⇒表皮細胞増殖因子(ヒトオリゴペプチド-1)
表皮に働きかける成分でターンオーバーのサイクルを正常化させ、表皮細胞の増殖と角質層を新しく作り出すことで、きめ細かいお肌へと導きます。
肌への浸透力が高いことも特徴で、表皮の新しい細胞を作り出す基底層まで届けてくれ、しみやくすみ、にきび跡や色素沈着の改善が期待できます。
★若返り成分、「真皮」で働くFGF
・FGF⇒線維芽細胞増殖因子(ヒトオリゴペプチド-13)
表皮の下にある真皮で働く成分で、EGFと同じくもともと体内にあるものです。
発見当初のEGFは1g、8,000万円だと前述しましたが、FGFの実験用の試薬の販売価格は1g、158億円という桁違いの金額でした。
しかし、EGFと同様に近年の技術革新で生産が容易となり、スキンケア用品として配合され一般的に使用できる価格に。
肌の真皮層にある線維芽細胞に働きかけ、傷んだコラーゲンを修復し、新しいコラーゲンを生成します。
真皮層にコラーゲンを保持する役割をし、肌の弾力と保水を保つ役割からしわやたるみ、毛穴広がりやほうれい線などの老化肌を改善へと導きます。
EGFとFGFの使い方と選び方
- EGFはターンオーバーの正常化を促し表皮の健康を保ち、きめ細かいなめらかなお肌へと導く
- FGFは真皮のコラーゲンの正常化を促すことでお肌の弾力を保ち若々しいお肌へ導く
EGFは、表皮に働きかけFGFは真皮に働きかけることから、肌全体の若返りには両方あわせて使うことがおすすめです。
スキンケア用品にはEGF「ヒトオリゴペプチド-1」FGF「ヒトオリゴペプチド-13」と記載されています。
まとめ
この記事を通じて、成長因子がいかにして若返りに寄与するか、その科学的根拠と実際の効果について深く掘り下げてきました。
ノーベル賞を受賞したこの革新的な成分は、医学と美容業界の未来を大きく変える可能性を秘めています。
私たちの生活に革命をもたらすかもしれない成長因子について、今後も研究と発展が続くことでしょう。
科学が進むにつれて、若さを保つ方法はますます手の届くものになっていることを、心強く感じることができます。